こころのいちばんやはらかいところ

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こころのいちばんやはらかいところ


ずっとずっとおなじ温もりで
それは絶えることなく
それは死ぬときにも変わらず
一筋の泪が最後まで温かいように

時の狭間に垣間みた自分
それは記憶のなかで生き
こころの奥深くへ沈んでいく

ずっとずっとおなじ温もりで
それは絶えることなく
わたしが生きているあいだは

わたしが生きているあいだは

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生きる約束をしよう


「行こうか」
親指を立てて笑う君
互いの未来を称えあい
選ぶ道 進む道
そう、生きる約束をしよう

いつか空を見上げて
汗を拭うとき
どこかの空の下
ふと、思い出す

「いつかまた」
そんな日は来なくても
信じていける気がする
選ぶ道 進む道
そう、生きる約束を

いつか道を振り返り
満足げに頷くとき
風に身を預けて
ふと、思い出す

きみのいた時のなかで
わたしのいた時のなかで
生きる約束を

生きる約束をしよう

0

音色


声にならずとも口をよみ
わたしの唇は復唱する
か細い糸はたちまち震え
悦びや哀しみを奏でる
あぁ、きみの音色がすき

水面下の低音ソニック
泪を住処とする哺乳類
生きとし生けるものたち

存在というものに名前をつけて

いま生まれたものに敬謙なキスをし
そばから死んでいくものに祈りを捧げ
記憶という墓標の前でレクイエムを



誰でもいいわけじゃない
誰ならいいわけでもない
あぁ、きみの音色で
わたしを呼んで!

鼓膜に残るほどに


0

わたしがいなくなったら

わたしは私が連れて行く
どこかの空の下
当たり前の日常に埋もれている
そんなこと不思議にも思わない
当たり前な顔をして生きている
老いること 死ぬこと
その途中
どこかの空の下 

長い眠りから目を覚まして
死ぬ日を思い出さなくては
そして、教えなくては


2

月の庭


なきっぱなしの地上
セルロイドのような羽を必死に震わせ
雑木林はまだ眠らない

鳴りっぱなしの夜
回り続ける外扇機と重低音を溢す車
夜空はまだ眠れない



はんぶんだけの月の庭
輪郭はすこし戸惑い滲んでいた
紺青とだいだい色
その溶け合っている彼らは
すこし幸せそうで

カンバスが無いので
永遠を閉じ込めることは出来ないけれど
ひとときだから尊いのだときみは言う
背中を包み込む降り立つ庭で
目も口も三日月のような弧を描く



虫の音とおく 月の庭
はんぶんはきみが
はんぶんはわたしが


4

風紋


刻一刻と
それは姿を変えて
舞い上がる砂塵に虚空を奪われては
消えていく足跡を踏みしめて
水面に横たわる印なら
溜息の間も与えなく
一年のうちの殆んどを
懺悔に費やすのだろう

刻一刻と
それは足元から崩れ
蟻地獄のように呑みこまれてしまい
昨日の砂はすでに迷宮に流れて
近似値の自由と不自由
名付ける親はなく
一生のうちの殆んどを
旅路に使い果たすのだろう

いまだけを見つめるならば
あまりにも虚しく
磁石の針はうろたえるばかりなり

今生の痛みと悦びを携えて
凍える夜に星を読み
眠れる砂の褥で手渡す記憶の欠片

またとない今日を生き
またとない明日を歩く


2

ほんとうはね、


私の話すテンポが遅いのは
嘘を探しているからじゃないの
嬉しかったり恥ずかしかったり
寂しかったり会いたかったり
ここで私は裸でいて
そのままあなたの胸に滑り込みたい
あまりにも正直すぎる自分が痛くて
似合わない服に袖を通す

なにやっているんだろう

私はいつだってどきどきして
いい歳をして どきどきして


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