こころのいちばんやはらかいところ

0

まだ見ぬ十年先のため息


昨夜だって月は冴えていた
直感と回りくどさが夜を奔る
思いやりと思われるものは
体温を奪う風だということ
石畳をコツ、コツ、コツと
私を追ってくるのは冷静さ

まだ見ぬ十年先のため息

もう直ぐ終わる小道に猫がいる
啼きもせず内なる私を凝視する
全身全霊で


スポンサーサイト

0

屋根


おまえがしゃべらないから
静かな夜

おまえが描こうとしているのはお喋りな夢
でも今は沈黙を点描する
夜だというのに眠らない一角
暗がりの毛布にうつ伏せていた
篭る声には消えそうな未来の話
透きとおる水彩絵の具

答えはもう出ているかも

ポツンポツン ペンを撞く

ぽつりぽつり雨が屋根を叩く
屋根は私たちの知らないことを知ってる
知らなくていいことも全部
厚かましい日照り
かつて私が愛した雨
カラスのタタタという皺だらけの卑しい足音から
風の誰かを連れ去ったときのもの悲しい泣き声
人知れず根付いた苔が世代交代をする息吹
ああ、今までの溜め息も少し居る

ねぇ、聴こえた?
屋根。

おまえは屋根を見下ろす夜を見上げる

なんでもないよ
静かだね

おや? 雨が降ってきたね

0

シャツ


私は風の中の詩を探した
意味のない風だった
遠慮などせずに洗濯物を干した
シャツやタオルが意味、ありげに揺れた
気のせいだった

穏やかな秋陽は遠く低く
町をそっと反映する
偽だと分かってる優しさを瞬く
バイクや車の濁音が無礼、のように往来する
苛立ちのせいだった

時には意味もなく
勘ぐらずに済ませ

(はぐらかさないで)

日々を生きることが私の努め
その中に潜む
不安、迷い、葛藤、絶望
その中に生きる
鼓舞、自立、道標、希望
無意識でも生きる姿勢に汗を滲ませ
首筋は隠れたところでいつも見てた

天空の風
唯、
吹く


沁み込んでいた陰気な感情を飛ばす
どこか遠く
ずっと高く

遅い午後

ひらひらと
のん気に踊る シャツを見上げて

2




生まれたて
しるし
きれい
誘惑
疑惑
痛々しい
醜い
でも
生きようとするとき
内にあるそれを捜す
閉じてても
こじ開けて来る
目を瞑っても
赤は迫って来る

ときどき疲れる
ずっとが疲れる
目が疲れる
こころもからだも
そこで
矛盾を失わないため逃げたりする
その間も
どこかで在りつづける


どこ?

どこにでも



おいしそう
それから、どーん
あはは
知らんぷりすると暴れだす
で、
不気味に笑い出す
自ら怖くなって黙りこくる

否定をすると
死に続けるので
かわりばんこで
常に誰かがお守りをしている

0

群青といふ名の空のもと

あたしの夢は蒸発してしまった
見慣れた天井に痞えたままの潜在意識
脳を這い回る微塵の煙を追った
朝はまだ黙秘し続ける
群青といふ名の空のもと
夜を傍観した水銀灯は小さなプライドで立っている

今、誰が 夢に囚われている?
今、誰が 夜の嘘を見過ごした?
群青といふ名の空のもと

そんなの知ったこっちゃない
だけど
おはようを言う
 
あたしの窓は闇に佇む非常口
安っぽいアパートのサッシ音が世間を破り
還す呼吸で空の高さを測った
朝は薄目あけてチラッと見る
群青といふ名の空のもと
彼方の高層ビルの赤色点滅灯は夜に同意したまま

これから誰が 愚図りだす?
これから誰が 今日を責める?
群青といふ名の空のもと

ねぇ、誰が いきる?イキル?生きる?
誰か、誰か 失い続ける?在り続ける?
誰も、誰も あたしの質問に答えたりはしない

そんなの知ったこっちゃない
だから
あたしは
おはようを いう

群青といふNANOソラノモト

0

そうだったのか


なーんだ
そうだったのか
あのときのあれだったのか
やっぱりそれだったか
それともこれか?

いずれにしても
そうだったのだ
そうじゃなきゃ
そうでなくなる

なーんだ
そうだったのか
やっぱりそうだとおもっていたよ
そうならそうとはやくいってよ
それともこうか?

いずれにしても
そうだったから
そうじゃなきゃ
そうじゃなかった

なぁんだそうか
そうだったのか

2

雲のない曇りの日に

存在しない未来を嘆くより
自分で作った過去がいい
そうして私は生きてきた
これまでもこれからも

滑稽でも無様でも
それすら無いよりいい
遠さを愛する老いた旅客
それはもういいのだ

ずっと抱えた苦悩は
誰にも因らず属さず
何処にも有りはしない真実
だからもういいのだ

私の中で育った時代は
今も私を生かしては脅かす
解かっても素知らぬまま
わからぬことはわからず仕舞い
それらを凡て持って行き
質問事項で並べ立てる
いつか答えになるかもしれない今

私は私を 
引き受ける

該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。