こころのいちばんやはらかいところ

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Me*(Asterisk)


         
い ま        
今から逃れるような現在
臨場感の無い興奮が続いた
視線に悪意は無いが狡さはあった
わたしはお人好しになった
そして少しばかりの同情に浸り
もっとも自分を遠ざけたのだ


たとえば
それを心無いと云い
たとえば
それをふしだらと呼び
たとえば
それをこれ見よがしに罵る

それは
古い血
それは
無神経
それは
陰気な塵

それは
濁った川
それは
ねっとりした風
それは
人騒がせな大地

それは
それは
それは

拾われない骨
顕になった名無し



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終わりのそこいらへん


始まりには始まりがあるけれど
終わりには終わりがない
あなたの終わりとわたしの終わりは
ずるいすき間をすこし開け
その後の長い時間を気づかぬくらいくすね
言わなかったことを終わらせないでいる
後悔なら始まりで終わらせていた
そこには誰も立たせなくて
だけどあなたじゃなく
  嘘がいる
それは本当の嘘だから
わたしは吐きとおす
終わりのかわりに



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晩秋の浜辺


水平線の波の正体
鳥は魚群を追っている
私には遥かなる安心感がある
鳥達は遠さの記号になった
啄ばまれた波が
何時、たどり着くのか
数え待つことが出来ない
反射と拡散をくり返す光は
風景という時差に惜しげもなく与え続け
ずっと其処に在るもの
身勝手な願いにも似た

私は少し左に傾いた
それはチロチロと
生きもののように群れて曳く

わりと近く
すぐそこ
でももう見ることは出来ない
訊き返さなかった言葉みたいに


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何も所有しない


私は何一つ所有していない
この世界を生きている奇跡と
汚そうとしても汚れない忌々しい手と
いまにも崩れそうな白い塔を瞬きし
早死にした2pacを聴いては無性に悲しくなり
他に入るものがないのでエンドレスで廻しつづけ
私はとうとう ひたひたになってしまった
部屋を暗がりにしたまま今日を終わろうとする
そしてそれすら所有していないことも知る
たった今

いまも私は老いていく
近づきゆくことを拒みもせずに
夜の静寂を暴きたてながら
期待と拒絶の旗が音もなく翻る

何も所有しない 夜に

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ひとり


こころの中を覗こうなんて思わないで
ふたり交わした言葉の中に姿さがして

たくさんの沈黙のなかにわたしは生きてる
きみがまだ生きていない沈黙も持っている
それらが黙らないから
わたしはいつも監視している

雑踏のなかで脚を止めても

どうか
振り返ったりしないでほしい



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