こころのいちばんやはらかいところ

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六十八億ぶんのひとつ

あたしは
どの辺からいるんだろう
幾つもの生死のなかで
あたりまえのように生きてきた
ときに──
生きていることに疲れ
悲しみに暮れて
粗末な思考を張り巡らし
真っ青な空の下
誰かの鼓動が
消えかかっていることにも気付かず
誰かの祈りの組み手にも無関心で

あたしは
どの辺にいるんだろう
幾つもの出会いのなかで
きみを知ることなく生きてきた
なんで──
今だったのだろうと
戸惑い、揺れて
きみのつま先に根を走らせ
こころの真ん中に
きみの鼓動が
聞こえるくらいに想いをよせて
後ろを振り向きもせず沈黙の背中

あたしは
どの辺まで来ているんだろう
幾つもの苦楽のなかで
やっと学びながら生きている
誰でも──
いつかは死ぬことを
遅まきながら理解が出来て
天秤が傾いたころ
自分のこころに
耳を傾け 声を聴き うなずく
残された時間を正直に生きられるのか

六十八億のひとつ
あたしが今日死んでも
一秒ごとに入れ替わるカウントのなかで
だれも気にもしない
だけど
あたしの鼓動が止まない
あたしの情熱が褪めない
だけど
だれも気にしない
だけど──
私があたしを忘れない


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