こころのいちばんやはらかいところ

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舞い戻る街

嫌いだった
たむろする影はひしゃげていて
表情のない人々が闊歩する通り道
ただの通り道
おいしい所は高層ビルの最上階
見下ろす人の靴が見える窓がある

嫌いだった
路地を一本分け入った異国は
したたかと悲しみと排斥の裏通り
ただの裏通り
笑い声だけは聞き取れる 同じだ
眉間にしわを寄せ言い争う街角に

嫌いだった
払拭できない何かが泣いている
ビルの脇に住所を持つ浮浪者
ただの浮浪者
屋根は昼間だけ夜は何処にさすらう
眠らない街の子守唄に通りすがる

舞い戻った  ドブ
見覚えのある溝の臭いの川を越え
表も裏も歩けないあたしの通り道
ただの通り道
「お帰り」と抱かれることに苦笑う
「ただいま」と戸惑いながら呟く

舞い戻った
「ただいま」と親しみを込めて呟く

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