こころのいちばんやはらかいところ

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あずかり知らぬ生活

          ひび
突き立てた杖の罅が国境をつくり
大地をを分断したら納得するのかい?
為政者の演説は終わるのかい?

世界の果ての
小さな農園で自給自足で暮す者
彼には天気の心配だけで
風の向きは雲の行方
雨が降る前に鍬をひとつ入れるだけだ

地平線の真ん中の
バオバブの樹の下で汗を拭う者
彼には昼夜の心配だけで
日没のまえに寝所を探す
闇に生きる獣たちに身を差し出さないために

七つの海を制する
無感情の波濤を越えて旅する者
彼は神の機嫌を伺うだけで
羅針盤を胸に祈りを捧げる
自分の愛するモノを海の藻屑にしないために

無関心になった街
終戦直後から街の風を見ていた者
彼が持って往く思い出だけで
この国の旭日も斜陽も
あずかり知らぬと恍惚に浸るだけだ
          ひび
突き立てた杖の罅が国境をつくり
大地をを分断したら納得するのかい?
為政者の演説は終わるのかい?

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