こころのいちばんやはらかいところ

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お伽話


抜け出そうともがけばもがくほど
身体は闇に沈んでいく
抉り取ったこころを握り締めて
世界の闇に私は立っていた

群れから離れてどのくらい経つのだろう
掟の鞭はいつも撓って
空をヒュウヒュウ鳴らしていた
世界を斬る音は風のように泣いた

錆び付いた鐘が動いたような気がした
崩れ落ちそうな柱に吊るされた
終わりを捜す巡礼者の首のようで
世界が泣き叫ぶことに怯えた

慟哭にも似た熱い塊を嚥下したのだ
気がついたら腸を失っていた
もう何も食べなくてもいいのだ
世界は物語を食べつくしていた

とうの昔に死んでたことを受け入れられず
漆黒の闇は何度も塗り直された
昨日あげた悲鳴は記帳されず
世界は新たな嘆きを強いる
 
夜ごとお伽は語られる
架空をいいことに
日に日に残酷になって

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