こころのいちばんやはらかいところ

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リコンハクショ


諦めもするし慣れもする
我慢も辛抱も成長の糧だと老人なら言う
悪いことばかりじゃなかった
そう、いい事だってあったんだ
呼び出すと立ちはだかる壁は高く

普段は黙りこくっても
大事な会話さえできていたらね
いちど逃げると次も行けちゃう
そんなことばっかり覚えて
信頼を欠いたことを黙殺するなんて

思いやるこころが面倒になって
不機嫌や不満は当たり前の上席に座った
愛は努力の賜だと冗談でも言ってはいけない
暮らしのなかで築き上げた情や時間が
沈黙のなかで悲鳴をあげていた

見てみぬ振りだけは上達していく
過去に描いた未来予想図が思い出せない
連れ立って歩く老夫婦がイメージできない
わたしはいつしかスケッチブックを閉じ
薄情でしたたかな紙を隠し持つようになった

年をとれば人間が丸くなるって嘘だよ 

灰になって明かされる嘘の残りかす
誰も気づかず これで良かれと
それを言うのはいったい誰なんだろう


どこの家庭でも一つや二つはある話なのだ
これといって言うほどのことでもないのだ
こころで泣いていたとしても
あっけらかんしか出てこないことが問題なのだ
あなたはずっと前に自分を諦めていたのだ

憎んだり恨んでいるうちはまだ良かったのだ
しょげてしまう首とため息が漏れる口があったのだ
ありがとうが消えてしまって
そのうち鼓膜にはこころが囁かなくなったのだ
それがわたしの抱えてしまった問題だったのだ

わたしはもっと前に自分に諦めていたのだ



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