こころのいちばんやはらかいところ

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急がなくてもいい、と言って


迷子になったヒトミは
瞼を閉じてきみを探す
街の雑踏に待ちぼうけの駅の椅子に

すれ違いに抱えた頭
風を遊ばせる長い髪
きみの手が撫でるのを夢見る髪

冬の曇った窓硝子に
書けなかった名前に
運命の背中を見た五指の跡が泣く

約束事のないまま
絡もうとする小指
迷う指先 探す指先 戸惑う指

両手のひらに乗せた夢
そっと閉じる夜は長く
震えるこころを強く抱きしめた

憧れた腕が抱えきれずに
時おり溢す夢のかけらを
拾っては嬉しそうに眺めながら

足元を愉快に跳ね回り
爪先を足首を擽るから
裸足の少女は無邪気に微笑って

想いを握り締めた手は
ずっとポケットの中で
永遠を添い遂げるよう眠り続けた

 
急がなくてもいいと言って
今すぐ走って来いと言って
全てを抱きしめるって嘘をついて

全てを抱きしめるって嘘をついて

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