こころのいちばんやはらかいところ

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ある朝の風景


朝日は暮らしの稜線の上あたり
眩しくて俯きながら歩いている
ダイオードの信号がピヨピヨ鳴く
あと何度こうして十字路を渡ったら
白い息が空に舞うのだろう

老いた人が杖をつきながら散歩する
リハビリの背中は諦めない心だと
誰の邪魔にもならないように
彼自身の邪魔にもならないように
願う朝をそっと追い越す

ひと雨ごとに降りてくる柔らかな光
長袖のシャツを一つだけ折って
手首に風が少しだけ遊ぶように
まだ硬い柿の実はいつ染まるんだろう
日々の付箋を見つけた

変わらない毎日を受け入れながら
変わらない自分を眺めながら
ひとつとして同じではない朝を
覚えのない幾つもの夜を同じ数だけ
無常である時のうえに立ち

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