こころのいちばんやはらかいところ

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夕刻


雨振る国道は薄情な河のように見えた
この橋を渡ると夜になるのか
赤いテールランプで堰留まった十字路
それ以外はぼんやりと滲みながら
網膜を往きすぎて夜に向かって急いでいた
過ごした一日を疑いもせずに
でたらめな鼻歌には意味などなく
ぽっかりとあいた胸の穴に寄り掛かって
空々しく過ごすように

近ごろの私といえば
自分を騙すことを覚え
頭のてっぺんのほうで
たわいもないことだけを考え
心の中洲に置いた仮住まいの小屋で
シャボン玉のように浮かぶ哀愁を
指で割っては片隅に追いやる
その仕草にいつしか慣れてしまうことが怖い

私は私に同情した
惨めさで顔が歪んだ
でたらめを通り越して

誰もが自分のことで氾濫する河で
自殺した流木に摑まって淀んだ
腹の底あたりから生まれた自嘲が
私の優しさの内側に不愉快な振動を与えた

誰も私を生きられやしないのに!


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