こころのいちばんやはらかいところ

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にわか雪


ページを捲くる静かな音と
ロフトから降る猫のいびきと

陽だまりの場所で背中を温め
自分を影にして文庫を読む
少しずつ身体を縮めて
ひざ掛けから果てや毛布に
気づくと外は鈍色の空
長針が三周も回っているうちに
床がしんと静まり返る
寒い寒いと干したシャツが文句を言った
窓を開けたら一気に手を引こう

視界を過ぎるのは──

気まぐれのような白い雪
なんだか気の無い返事のような
腕を抱えて目を凝らす
遠くの遠くの坂道に
親子連れの後ろ姿
ピョンピョン跳ねる小さな影
似たような風景を思い出し
そんな過去にすこし温もる
さぁて、『今』に帰ろ

顔を上げた猫を騙して
またまた本に目を落とす
ページを捲くる静かな音と
ロフトから降る猫のいびきと






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