こころのいちばんやはらかいところ

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レインノイズ

北に面した私の部屋
雨の日でも窓をあけて
昨日という過去を逃がす
視界を過ぎる真っ直ぐな雨
すき間無く降り続いて
身体に残る眠りの残骸
今日を食われないように
肌寒さをかかえてさらす
ねぇ、あたしを起こして

灰色に滲む街の通り
お気に入りの紅い傘
路地を一本分け入って
無口になった公園の
ブランコ揺らす幼い影
モノクロゥムの映像に
今を奪われないように
音を立てないようにね
ねぇ、あたしを明かして

傘はもっているのよ
翳してくれる親切に
頭を下げて苦笑する
そうね 濡れるわよね
世間話より雨の音が
気になって仕方がないの
今日を流されないように
耳をそばだて聴きたいの
ねぇ、あたしを行かせて

一日中、降り続いた日
強く弱く、それでもずっと
無意識を繰り返すのを
咎めるノイズは夜に止む
髪を乾かしながらの窓辺
水たまりを打つ高音の雫
今日がそっと満ちてゆく
一滴を数えながら横になる
ねぇ、あたしを眠らせて

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