こころのいちばんやはらかいところ

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午睡

首筋にかいた汗を手で拭いながら
解れた髪を撫で 高めに縛り直す
目覚めたときに寂しくないように、の
付けっぱなしだったラヂオのDJも
丁度あくびを噛み殺していたところ
ゆるい午後に流れた曲はラブソング
振り向きもせずキッチンに向かう

拘っていた紅茶をコーヒーに替え
大きめのマグカップに注ぎ淹れる
砂糖は入れず ミルクも要らない
思わず首をすくめる苦い目覚めを
カフェカーテンから町の様子を窺い
通りがかりの老人のお茶目なウィンクに
カップを掲げ To Your Health!

傾いた陽差しは影を少しずつ伸ばし
今日という日を追い立てはじめる
昼前にやっと干した白いシャツが
心地よい風に揺れ 軽く東になびく
せっかく乾いたところを呼びだして
ぐうたらにも洗い晒しに袖を通す
ちょっと町まで買い物に付きあって?

背を押す低い太陽に影は薄らいで
ゆっくり過ぎる夏時間の午後を踏む
いまは気遣う誰も待っていないから
そう、駆け抜けた日々はずっと後ろ
シャツの袖をひじまで捲くりあげて
少しだけ 丁寧に生きてみようと
昼寝の言い訳を考えたりしてみる

シャツの袖をひじまで捲くりあげて
遅めの午後をゆっくりあるく 

そうだね──
  少しだけ 丁寧に生きてみよう、と

  

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