こころのいちばんやはらかいところ

0

屋根


おまえがしゃべらないから
静かな夜

おまえが描こうとしているのはお喋りな夢
でも今は沈黙を点描する
夜だというのに眠らない一角
暗がりの毛布にうつ伏せていた
篭る声には消えそうな未来の話
透きとおる水彩絵の具

答えはもう出ているかも

ポツンポツン ペンを撞く

ぽつりぽつり雨が屋根を叩く
屋根は私たちの知らないことを知ってる
知らなくていいことも全部
厚かましい日照り
かつて私が愛した雨
カラスのタタタという皺だらけの卑しい足音から
風の誰かを連れ去ったときのもの悲しい泣き声
人知れず根付いた苔が世代交代をする息吹
ああ、今までの溜め息も少し居る

ねぇ、聴こえた?
屋根。

おまえは屋根を見下ろす夜を見上げる

なんでもないよ
静かだね

おや? 雨が降ってきたね

該当の記事は見つかりませんでした。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する