こころのいちばんやはらかいところ

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帰路の翼

羽根が抜け落ち骨格だけの翼
飛び続けた空は鉛色の

ビルの屋上は冷たい雨に濡れ
手を翳せば雲の中に消えるほど近い
天空はすぐそこなのに届かない
見下ろす街は基板のように入り組み
無関心な世界を動かしているんだね

僕の嘆きなどそっと踏み潰され
それすら気付きもせずに笑っている
それが望みだったとはいえ
恨みを買うなんて思ってもみなく
目撃されて眉を顰められずにいたい

遠くもなく近くもなく時間もなく
液晶の世界に深い霧が立ち込める
見えない足元を確かめながら
発信電波を頼りに誰かを探している
ひしめき合う人混みは受信しにくい

橋の欄干から川面をのぞいた
僕の羽根はもう飛べないみたいだ
そのとき君の声がしたんだ
「何処にいるの?還っておいで」
見上げる空は君が放った向かい風

見上げる空は青空がいいよね
休める雲もすこしあるといいよね
もう遠くまでは飛べないから
自分の棲み処を守るので精一杯かな
知り合いの妖精たちも「うん」と頷く

羽根が抜け落ち骨格だけの翼
舞い上がる雲の間に紺碧の

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